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妊産婦のための食生活指針の改訂案、調査研究報告書を読んでみる

2022年8月1日

厚生労働省や関連研究機関、大学、産婦人科病院から出されている公式の文書、研究成果などから正しい認識や基準を最終的には、できるだけ簡潔にまとめたいと思います。

何度かに分けた記事として出していきますので、しっかり基礎情報を読み込んだ結果としてお届けできるようにしたいと思います。

最終的な記事の目的は、「葉酸」サプリについて必要性が徐々に認識されることになっているものの、どれを選択するのか、その根拠は、などの情報がSNSのクチコミのレベルで拡散しています。

何を選択すれば良いか、どんな観点で選択するのが良いかをエビデンスをもとに明らかにしたいと思います。

最初は文献の読み込みからスタートになりますので、堅苦しくなりますが、時間があれば読んでいただきたい資料などもご紹介していきます。

途中経過やエビデンスなんて面倒なことを言わずに回答だけ教えろ!という方には、以下の内容はスルーしていただき、下記の厚生労働省のリーフレットだけをご覧ください

もっとお手軽に知るには。。。。

妊娠前からはじめる 妊産婦のための食生活指針 (厚生労働省)

詳しくはコチラ

調査研究報告書とは?

令和元年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業 妊産婦のための食生活指針の改定案作成および啓発に関する 調査研究報告書 」令和2年3月 「 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
国立健康・栄養研究所 」のことを指しています。

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所は、独立行政法人であった医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所が平成27年に統合され、国立研究開発法人として新たにスタート。1つのキーワードになるのが「個別最適化」。食事や運動を通した健康維持・増進においても、病気となった場合の治療薬においても、お一人おひとりに合わせた最適な指導と医療の提供が行えること

平成 17 年(2005 年)2月に「妊産婦のための食生活指針の策定」が行われたが、時間もかなり経過していることから、最新の科学的エビデンスに基づく、妊産婦のための食生活指針の改定案の作成が急務との認識で調査研究報告書 として出されることになってものです。

調査研究報告書の内容概要

以下の特段の記載がない限り、「 」 (かっこ)で括った記事内容は、読み易いように平易な言葉に置き換えはありますが、全て上記の「調査研究報告書」内容を反映したものです。

対象者

「妊娠、出産、授乳に当たっては、妊娠前からの食生活も重要であるため、妊娠前の女性も含み、改定案は、「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」とした。

あわせて、普及啓発に必要となる解説要領、リーフレット及びホームページの案を作成した。

リーフレットは、妊娠前女性及び妊産婦を主な対象とし、ホームページは妊娠前女性及び妊産婦に加えて、妊産婦を支援する保健医療従事者を対象として作成」

事業実施内容

「妊産婦のための食生活指針の改定のための基礎資料とすることを目的として、科学的エビデンスのレビューを実施」

レビューを実施した内容

  • 妊娠期の推奨体重増加量
  • 妊娠期の至適栄養 (筆者加筆:至適<してき>、きわめて適すること。また、そのさま。「―血圧」「―な範囲」 出典:デジタル大辞泉(小学館)
  • 授乳期の至適栄養
  • 母乳育児に関連する要因
  • 妊娠期の至適身体活動量

妊娠可能年齢女性の体格の現状と課題

「平成 29 年(2017 年)国民健康・栄養調査の結果によると、15~39 歳の女性の平均 Body Mass Index (BMI)は昭和 48 年(1973 年)以降平成 10 年(1998 年)代初頭まで減少傾向 を示している。同じ時期に、低体重(やせ)(BMI<18.5kg/m2 )の者の割合は増加傾向 を示し、昭和 48 年(1973 年)には 20~29 歳で 15.1%、30~39 歳で 7.2%であったのが、 平成 29 年(2017 年)にはそれぞれ 21.7%、13.4%と増加した」

「WHO の平成 28 年(2016 年)Global Health Observatory data repository によると、日本が所属している西太平洋地域で 18 歳以上の女性の低体重(やせ)の者の割合が最も高かったのが 18.2%のベトナムで、日本は 9.8%と 27 か国中 5番目の高さであった。」

若年女性における健康障害の代表的なものに、低体重(やせ)や体重減少による排卵障害(月経不順)がある。

排卵障害は不妊の原因の一つであるとともに、女性ホルモンの分泌低下もきたす。また、低体重(やせ)の女性ほど閉経年齢が低く、将来の骨粗鬆症のリスクが危惧される。

さらに、妊娠前に低体重(やせ)であった女性では、ふつう体型の女性に比べて早産や低出生体重児を出産するリスクが高いことが報告されている

まとめ:痩せすぎているようです。「そんなことない!!」って声が聞こえそうですが、BMIの値は「やせ」じゃないでしょうか?

エネルギー及び栄養素の摂取量

エネルギー産生栄養素バランスは、15 歳から 29 歳までの女性では脂質エネルギー比率が30%を超え、「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」の目標量(20-30%エネルギー)を上回っている(図1)。

たんぱく質及び炭水化物を十分に摂取する必要がある。なお、妊娠期には必要なたんぱく質摂取量(付加量)が増加するため、妊娠前からの十分な摂取が必要となる。

魚介類や肉類は、全体のたんぱく質摂取量のうち、それぞれ2割程度がそれらの食品群由来のたんぱく質摂取量となる。同様に、穀類由来のたんぱく質摂取量も全体の2割を占める(図2)」

(図1)エネルギー産生栄養素バランスの摂取量(女性、年齢階級別)
注釈:炭水化物エネルギー比率=100-たんぱく質エネルギー比率-脂質エネルギー比率
資料:厚生労働省 平成 29 年国民健康・栄養調査

(図1)

(図2)たんぱく質摂取源(20 歳以上) 資料:厚生労働省 平成 29 年国民健康・栄養調査

(図2)

脂質の多いデザートは?

  • 脂肪分の多い食事例 アイスクリーム、フラペチーノ、チョコレートパフェ イラストのデザートの他に、ソフトクリーム、ショートケーキ、モンブラン、シェイク等が高脂肪のデザートです。
  • 脂肪分の少ない食事例 どら焼き、大福、お団子

まとめ:脂質は摂り過ぎなので、魚介類や肉類・穀類から摂取するたんぱくを増やす必要がある

野菜摂取量

「健康日本21(第二次)においては、野菜摂取量の平均値 350g を目標として、野菜摂取量の増加に取組んでいる。

しかし、野菜摂取量の年次推移は横ばい状態にある(図 3)。

また、特に若い世代における野菜摂取量が少ない状況にあり、いずれの年代においても、年齢階級摂取量の平均値が 350g を超える年齢階級はなかった(図 4)。

野菜摂取量 350g 以上の人の割合は、20 歳代女性では 14.6%、30 歳代も 17.4%であった。」

(図3)野菜摂取量の平均値の年次推移(20 歳以上、女性、2007~2017 年)
資料:厚生労働省 平成 29 年国民健康・栄養調査

(図3)

(図4)

(図4)野菜摂取量(女性、年齢階級別)
資料:厚生労働省 平成 29 年国民健康・栄養調査厚生労働省 健康日本 21(第二次)

(図4)

まとめ:野菜の摂取量は、全年代で目標を下回る。特に、20代・30代女性は、350g以上摂取している人は、それぞれ 14.6%、17.4% しかいない

胎児の神経管閉鎖障害(NTD)発症リスク低減のために十分な葉酸摂取量が必要

「妊娠を希望する女性は、胎児の神経管閉鎖障害(NTD : neural tube defects発症リスク低減のために十分な葉酸摂取量が必要となる。

葉酸による NTD リスク低減効果については、これまでに多くの研究が実施されており、妊娠前後の葉酸サプリメントの摂取は NTD リスク低減と関連が認められている。

ただし、葉酸の小麦製品への強化義務は NTD リスク低減に効果的であったが、その発症リスクの低下には限界もあることや、効果の大きさは義務化前の発症率により異なること、

対象となる若年女性以外の人々に対する強制的な葉酸摂取量増加による健康リスクの懸念について指摘がある。」

神経管閉鎖障害のリスク低減のための葉酸の必要性・量・服用タイミングについては、以下の記事を参照ください。

神経管閉鎖障害のリスク低減のための葉酸の必要性・量・服用タイミング

続きを見る

葉酸の小麦製品への強化義務についての補足 (厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』より)<<海外の情報>>

神経管欠損症(neural tube defect:NTD)のリスク(危険)を低減するため、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、製造業者に対し、1998年1月から栄養強化パン、シリアル、小麦粉、コーンミール、パスタ類、米およびその他の穀物製品について100g当たり葉酸140µgを添加するよう要請した

健康リスクの懸念について指摘についての補足(厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』より)<<海外の情報>>

一部の疫学研究により、葉酸塩摂取状況と大腸がんや肺がん、膵がん、食道がん、胃がん、子宮がん、卵巣がん、乳がん、他のがんのリスクは逆相関することが示唆されている。

葉酸塩は、葉酸塩—メチオニン代謝系やそれに続くDNA複製および細胞分裂における役割を介して、がんの発症に影響する可能性がある。

がんの発症と進行に、葉酸塩が二重に役割を果たしている可能性もエビデンスから示されている。

すなわち、前がん病変が生じてから高用量葉酸を摂取すると、がんの発症および進行を促進するおそれがある一方で、葉酸塩は発がんの初期段階で一部のがんを抑制する可能性がある

全体として、現在までのエビデンスから、食事由来の葉酸塩の適切量の摂取は、一部のがん種の発症リスクを低下させる可能性を有することが示されている。

しかし、葉酸補充ががん発症リスクに及ぼす影響は不明であり、特に大腸腺腫や他のがん種の罹患歴を有する人における影響は未知である。

食事由来の葉酸塩および葉酸補充ががん発症リスクに及ぼす影響や曝露の時期の違いによる影響の相違を十分に解明するため、さらに研究を重ねる必要がある。

天然の食品由来の葉酸摂取量

「平成 29 年(2017 年)国民健康・栄養調査結果によると、30 歳未満の女性の葉酸摂取量は 300μg/日にも達しておらず、葉酸の摂取源の一つである緑黄色野菜の摂取量も十分ではない。

妊娠経験のない女性における NTD 予防のための葉酸摂取推奨の認知度は、15~19 歳 22.3%、20~24 歳 24.8%、25~29 歳 32.0%、30~34 歳 34.8%、35~39 歳 35.8%と十分に広まっていない。

日本国内における NTD の発症数には減少傾向が認められていないことが報告されている。

多くの場合、妊娠を知るのは神経管の形成に重要な時期(受胎後およそ 28 日間)よりも遅いため、妊娠初期だけでなく、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性は、葉酸を多く含む食品の積極的な摂取に加え、サプリメントや食品中に強化される葉酸として 400μg/日の摂取を心がけることが、NTD 予防に重要。


また、NTD の原因は葉酸の不足だけでなく複合的であり、葉酸のサプリメントまたは葉酸を強化した食品の利用だけでその発症を予防できるものではないことや、サプリメントや強化した食品を摂取しているからといって葉酸を含む通常の食品を摂取しなくてよいという意味では全くないことに十分に留意すべき。」

カルシウム

「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」では、妊産婦のカルシウム付加量は設定されていないが、カルシウム摂取量が不足している女性(500mg/日未満)においては、母体と胎児における骨の需要に対応するために、付加が必要である可能性を示す研究もあるため、妊娠前からの積極的なカルシウム摂取が必要であろう。

カルシウムの主要な供給源は乳製品、緑黄色野菜、豆類、穀類などである」

カルシウムを多く含む食品

資料:文部科学省 日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)追補 2018 年
小山裕子 他 サービングサイズ栄養素量 100-食品成分順位表- 第一出版(2011)

「鉄は酸素の運搬に必須のミネラルで、妊娠期には胎児の成長やさい帯・胎盤中への鉄貯蔵、循環血液量の増加などに伴い、需要が増加するため、妊娠前よりさらに多くの鉄摂取が必要。

鉄の摂取量は、ほとんどの年齢階級において、月経なしの場合には推奨量を上回っているものの、10 歳代と 30 歳代では推奨量を下回っていた。

さらに、月経ありの場合は、いずれの年齢階級においても、推定平均必要量を下回っていた。

また、過多月経で経血量が 80ml/回以上の場合、推定平均必要量は 13 ㎎/日以上、推奨量は16 ㎎/日以上となる。

鉄を多く含む食品の積極的な摂取が望まれる。

しかし、女性の鉄摂取量の現状から、通常の食品でこのような鉄摂取は難しいと考えられるため、医師の診断の上で、鉄剤等の補給が必要となる。」

鉄を多く含む植物性食品(左)、動物性食品(右)

資料:文部科学省 日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)追補 2018 年
小山裕子 他 サービングサイズ栄養素量 100-食品成分順位表- 第一出版(2011)

妊産婦の運動

妊婦の運動実施に関しては、日本臨床スポーツ医学会より、「妊婦スポーツの安全管理基準(以下「妊婦スポーツ基準」という)」が公表されている。

妊婦スポーツ基準においては、妊婦に適した運動の指標は有酸素運動を最大酸素摂取量 70%以下、心拍数 150bpm 以下(連続運動の場合は自覚的運動強度「やや楽」以下)とされ、

この運動を平坦な場所で、1回 60 分以内を週2~3回、子宮の日内変動を考慮し 10 時~14 時に実施することが望ましいとされている。

まとめ

妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
~妊娠前から、健康なからだづくりを~

 妊娠前から、バランスのよい食事をしっかりとりましょう
 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
 不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと
 「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に
 乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に
 妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に
 母乳育児も、バランスのよい食生活のなかで
 無理なくからだを動かしましょう
 たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう
 お母さんと赤ちゃんのからだと心のゆとりは、周囲のあたたかいサポートから

妊活には必須の葉酸サプリ。食生活で不足しがちなビタミンも必要量が適切に入っていてオススメです。

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